卵のしみ・汚れについて 
卵のしみで落ちにくくなるのは生の卵です。料理に使用し熱の加わった卵は比較的繊維には付着しにくくなりますが、生の卵は日にちの経過に伴い徐々に蛋白質か固まり落ちにくくなってしまいます。
 ★ そうした特性を生かし卵の白身の部分を粉末にし(カゼイン)着物の模様に用いられている胡粉(白い粉)を定着させる糊として使用されています。卵の蛋白質は固まると定着力がより強くなるため利用されているもので、いざ落とそうとするとなかなか落ちないのが蛋白質です。
 ★ 卵のしみは着物に付着すると繊維の中に浸透してしまい水で擦った程度では落としきるのは困難です。素人療法で水で擦ったりアイロンで熱を加えてしまいますと蛋白質は早く固まってしまいますので、落ちなくなってしまう恐れが有ります。
 ★ 卵が固まったシミを私達業界では肉じみと言います。肉じみは卵だけでは無く血液や動物から排出されるものの大半、お乳・よだれ及び生魚の汁・肉の汁・牛乳等、蛋白質が含まれているシミ全てに言えます。
 ★ 肉ジミの除去には蛋白質分解酵素を用いますが、月日が経過すればする程蛋白質は硬くなり、それを分解するのに酵素付けを5回・10回・15回と繰り返さなくてはなりません。
 ★ 帯やお召し等先染めの製品や羅織り製品等には蛋白質分解酵素が使えない場合も有りますので、蛋白質系のしみは出来るだけ早く(1日〜2日以内)お持ち下さい。
肉ジミの除去は実際にそのシミの上で酵素付けを行いますが、酵素付けは5回以上繰り返さないとシミは薄くなりださない場合があります。酵素付け作業の工賃が1回に付き1千円にして5千円以上の手間をかけても全く薄くならないシミも有り、シミが除去出来なければ工賃を戴く事が出来ない為、そこまで手間をかけないお店が大半です。  
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しみぬき池田補正所店主一級染色補正士 池田忠男 著書
上記の対象は絹織物(着物)に対してのお話です。