虫干しについて
 着物(衣類)は昔から虫干しと言って、年に2回程度は着物を出して風通しをしていたものです。現代は部屋の気密性も高まり、冷暖房も多く使用されておりますので1年を通してカビ菌が活躍しやすい環境に有りますので、昔以上に風通しが必要です。
 虫干しは着物(衣類)にとって絶対必要な作業ですが、本来絹織物はあまり虫喰いの心配は有りません。但ししみが付いていたりカビの発生した部分は直ぐに虫に喰われてしまいますので油断は禁物です。繊維の中で一番虫が好む繊維はウールやかしみや等、動物の毛を利用したもので、テトロンやポリエステル等の石油繊維は虫喰いの心配は有りません。
 衣類にとって虫干しと言う作業は虫喰い防止より、カビの発生防止と言う意味では絶対必要な作業となりますので、虫干しと言うより風通しと言った方が正しいのではないかと思いますので、私共では風通しと言っております。
 
しみの応急処置法
着物を着ている最中、食べ物の汁等を衿元や上前の目立つ所に付けてしまい、目だって困った場合の応急処理は次の方法で処理して下さい。
白のオシボリか木綿のハンカチの角を引っ張り10cm位の所で折り返し、コップの水を浸し、人差し指・中指・親指で硬く絞り、しみの上にあてがい、押さえつけるか、軽くたたいて下さい。オシボリ・ハンカチの場所を変えながら2〜3回繰り返し、濡れたオシボリの方にしみを移し、周りをたたきながらボカシて下さい。(この際押さえ付けるか、軽くたたくだけで絶対に擦らないで下さい。)
 ※ 本来ならしみは絶対いじらない方が宜しいのですが、応急処理として2〜3回繰り返しても落ちない場合は即中止して下さい。
 ※ 応急処理でしみが見えなくなっても、しみは完全に取りきれていません。その場所に糸で印しを付け事情を説明の上専門店にお出し下さい。
注意 絞りや刺繍・金・銀・色箔の側や模様の中は絶対にいじらないで下さい。
水のみで薄くなるしみは、醤油・ケチャップ・ソース程度で、マヨネーズやドレッシング・チョコレート等油分を含んだしみやジュース・ワイン・ボールペン・マジックインキ等灰汁や色素系を含んだしみは水だけでは落とせません。 
 着物をしまう場合の注意事項 
@ しみや汚れは大丈夫ですか?
  しみは付けたけど乾いたら見えないので大丈夫の自己判断は大変危険です。後々必ず変色しますのでその部分に糸で印しを付け、何を付けたのか説明の上専門店にお出し下さい。 
A 型崩れにご注意下さい
  型崩れを防止するため、着物はきちんとたたんで、一枚づつタトウ紙に入れて下さい。特に疂紙(タトウ紙)は紙製のものをご使用下さい。重ねておしまいになる際は2枚か3枚が限界です。それ以上は箱に入れる等の工夫が必要です。
B 防虫剤について
  絹物はしみが付いていたり、カビの発生がなければそれ程虫喰いの心配は有りません。防虫剤の使用は、引き出しや箱の底に新聞紙等5〜6枚程敷きその下に入れて下さい。
防虫剤は一種類のみで、種類の異なる防虫剤の併用を避けて下さい。
注意 ウールやメリンス繊維は動物性で特に虫が好む繊維です。防虫剤は多めにご使用下さい。
尚 絹織物はあまり防虫剤は使用したく無いため毛織物とは別の場所に保管して下さい。
C 着物の包装材料について
  ビニーの袋やフェルト製(チャック付き)タトウ、呉服店の定番の黄色の風呂敷に着物を包んでの保管はしないで下さい。
  フェルト製(チャック付き)タトウ紙は持ち運び用としての使用は宜しいのですが、着物の保管には適しません。
  石油製品やゴム製品は着物の変色の原因を促進します。黄色の風呂敷は湿気を含むと色移りを起こします。
  本来黄色の風呂敷はウコンと言う植物染料で染められ、ウコンは虫食い防止になるため呉服店で使い出されたものですが最近の風呂敷は大半が化学染料で染められていてそれらの風呂敷では防虫効果が無く色移りの方がダメージが大きくなります。
D 着物をしまう場所と容器について
  着物をしまう場所は、風通しの良い場所を選んで下さい。タンスの下段は湿気が多く高い所特に押入れの天袋は蒸し風呂状態となりますので、絶対に避けて下さい。
  着物をしまう容器は箪笥以外なら木製か紙製の箱に入れて下さい。特にプラスチック容器は絶対に避けて下さい。
E その他の注意事項
★着物の袖にハンカチやちり紙・切符等が入っていないか?ご確認下さい。
★除湿剤や乾燥剤の使用は避けて下さい。
★石油製品・ゴム製品・印刷物等は着物と一緒にしまわないで下さい。
 ● 着物はお手入れ次第で大変長持ちします。着物は虫干しが必要な事は皆様が承知されていながら、いざ虫干しをしようと思うと大仕事となるため、つい躊躇しがちですが、そのまま仕舞ったままにしますと取り返しの付かない事になってしまう事が有ります。
着物は虫干しと言うイメージから風通しと言うイメージに考え方を変え、カラット晴れた日を選び、引き出し一段づつ、楽しみながら着物を広げ2〜3回振り廻してたたみ直すだけで十分ですので是非風通しを行って下さい。
 ※ 小さなお子様や室内で動物を飼われているお宅では特に汚されてしまう恐れも有り、又室内でも1週間以上着物をハンガーに吊るしたままにしますと、色ヤケを起こす物も有りますので、たたみ直すだけの方が安全です。
 ● 着物を広げた際、しみや汚れの有無、縮み、型崩れ、等のチェックは勿論、ご自分のお持ちになっている着物と帯の組み合わせ等も考えて見るのも楽しいものです。

着物の手入れの目安
 ● 着物は一回着る度に洗わなくても大丈夫ですが、その後着る機会が無く、お仕舞いになる前には必ずしみや汚れは落としてから仕舞って下さい。
 ● 染色補正店なら部分的に汚れや、しみを落とす事が出来ます。
 ● 部分しみ抜きは、着ているシーズン中で特に気になるしみや汚れが有る時にご利用下さい。
 ● シーズンが終了し着物をしまいこむ前や、3回以上着た着物、又一度しか着ていなくても2〜3年着る機会が無かった着物は、一度洗って置かれた方が宜しいと思います。
 ※ 何故なら、しみや汚れは見えなくても一度着ると、人の肌から排出される分泌物が着物に悪影響(黄ばみ・黒ずみ・酸化変色等)を及ぼす恐れが有るためです。
 
着物を着る日が決まったら
 ● 着物を着る日が決まりましたら、最低でも1ヶ月前には着物を出して目通しをする事が大切です。
着物を着る機会が少なくなっている現在は、ちょっと前と思っても2〜3年経過している事が有ります。そうしてしまったままにしていた着物は、着た時には気が付かなかったしみが変色していたり、カビや型崩れを起こしている場合が有ります。
 ● 着物の手入れには、お時間が掛かりますので、お早めに目通しをして置きましょう。
 
きものを着終わりましたら
 ● 着物を着終わりました後は、ハンガーにかけて半日位、室内で風通しをして下さい。
 ● たたむ前に着物の衿や袖口・裾等(広げて確認)の汚れをはじめ、胸や袖・前等にしみはついて無いか良く確認して下さい。
又 汗やしみは付けたけど乾いてしまったら見えない、等のしみは後々変色の原因となり、一番危険ですので、糸で印しを付け必ず専門店にお出し下さい。
 ● しみも、汚れも、汗もかかず、お召しになった時間も短い場合は、そのままおしまいになっても大丈夫です。



 着物のTPO
礼   装  ミスの礼装の着物は振袖又は中振袖で、ミセスの場合黒留袖や色留袖です。
帯は丸帯・袋帯等が使われ、着て行く先は公式行事及びパーティー・結婚式・結納・媒酌人等です。
準 礼 装  着物は、訪問着・紋付色無地で、帯は袋帯又は名古屋帯です。着て行く先は披露宴・式典・パーティー等です。
弔   辞 着物は黒喪服か濃紫や紺の色無地で、帯は黒の袋帯や名古屋帯となります。着て行く先は、通夜・告別式・法事などです。
外 出 着 着物は、江戸小紋や染め紬等で、帯はおしゃれ袋帯か名古屋帯が使われます。着て行く先は、観劇やクラス会・お茶会等です。 
街   着 着物は、小紋や紬・大島・お召し・等で、帯は染帯・名古屋帯・織帯等が使われ、着て行く先は買い物・旅行等で気楽にお召し下さい。 

着物の手入れについて

大切なお着物には出来るだけこまめに風を通して下さい。 
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