

着物のかび(カビ)について
第二期症状は、カビが出始めてから5年位経過したもので、カビ臭い匂いが発生し、同時に白カビが黄色に変色し始まります。
手入れの方法としては着物を全部解いて洗い張りが必要となります。
洗い張りの出来ない訪問着や中振袖・留袖や喪服等は解いた上で生け洗いしみぬきで、しみ抜きの際、濡らす事の出来ない部分を避け、その他の部分はは出来るだけ広範囲に水洗いをする事が必要となります。
| 着物のかび(カビ)には特にお気をつけて下さい。 | |
| ● | 最近着物を着る機会が少なくなり、半数以上の方が箪笥や衣裳箱に大切に仕舞ったままにしていて、出して見たらこんなになっていたと言う方が多くなっております。最近は品物が悪いとか、やり方が悪いとかで販売店や、職人にクレームを付ける方がおりますがこれは間違いです。昔は着物をカビらせるのは女の恥とされていたものです。 |
| ● | 着物には全てに地糊が入っていて、その地糊が湿気で腐り、そこからカビが発生し、そのままの状態で長年風通しを怠りますと、カビが出て第一期症状〜第四期症状に進展してしまいます。 |
| ● | カビは着物に入っている地糊の種類や強さによって異なり、全ての着物がカビるものでは有りませんが、一枚でもカビを発見した場合は、その他の着物も同様にになっている事が考えられますので、保管場所を変えたりこまめに風通しを行う等の配慮が必要です。 |
| お手入れ法として | |
| ● | お手入れ法としては カビは細菌の一種に付き良く乾燥をさせ、後は殺菌が必要です。殺菌方法としては石油系の溶剤が効果的ですので、生け洗いしみぬきをお薦めします。 注意として、専門店で綺麗にしても一度カビが発生したお宅様は、現状のままでは再度カビが発生する恐れが有りますので、お仕舞いになる場所の環境改善を行って下さい。 |
| カビの発生する条件 | |
| ● | カビは全てのご家庭で発生する訳では有りません。カビが発生しやすい条件は湿気の多い所や風通しが悪い所や温度が高い所です。購入して一度も手を通していない着物や専門家に依頼して綺麗にしてあるので大丈夫と、大切に仕舞い込んだまま長年風通しをしていなかったり密集地で窓が開けられないお宅やコンクリート造りの新しいマンションで、ご夫婦共稼ぎで昼間は留守がちと言うお宅は最悪の条件です。 |
| ● | 又最近の建物の造りや冷暖房装置の普及にも大きな原因となる要素が考えられます。何故なら昔の建物は床が高く、縁の下は風が吹き抜けていて、部屋の中でも冬寝ていると顔が冷たくて寝られない位でしたが最近の建物は機密性(換気を怠るとガス中毒を起こす程)が高く冷暖房効率を高める構造で、一年を通してカビが繁殖しやすい環境にあります。 |
| 解消法として | |
| ● | 上記に思い当たる場合の解消法として、先ずは保管場所を変える必要が有ります。又保管している高さにも気配り必要です。座って顔の高さから、立って顔の高さまでが一番理想の場所です。同じ部屋でも高い所と低い所では温度が異なります。低い所は湿気が多く、高い所は温度が高いものです。 |
| ● | 詰め込み過ぎにも注意が必要です。和箪笥の着物を保管する部分にヒントを得て下さい。先ずトビラが観音開きになっていて、引き出しは箱にはなっておりません。何故なら風通しを良くするためです。一段に一枚を置き、扉を開ける度に自然に風が通る仕組です。そこに何枚も詰め込んでは何んにもなりません。 |
| ● | 一枚でもカビの発生が確認された場合、通常のご家庭よりこまめに風通しをする事が必要です。一度もカビが発生した事の無いお宅様なら2年か3年に一度でも大丈夫ですが、カビの出やすいお宅は1ヶ月でもカビが発生してしまいますので、最低でも年に2回程度の風通しが必要です。 |
| 第一期症状とは |
| 第一期症状は白い斑点となって現れます。色の濃いものなら白カビも見えますが、地色の薄いものの白カビを発見するのは大変困難です。従って留袖や喪服及び色の濃いものにカビを発見しましたら、他の白っぽい着物にもカビが発生していると考えるのが正しい考えだと思います。 |
第二期症状とは
第三期症状とは
第三期症状は、カビが出はじめてから10年以上経過したもので、カビ臭い匂いは消えますが、黄色味から茶色く変色したものを言います。留袖の黒色(地色)は茶色の斑点となってしまいます。
この変色の除去には硬貨程度の範囲に区切り、5回から10回以上の漂白作業が必要となりますので、全体一面に出現したカビの漂白はしみ抜き作業では困難です。
第四期症状とは
第四期症状ともなると、カビが出はじめてから20年以上経過したもので、茶色の変色からコゲ茶色に変色したものを言います。こうなりますと布地の風化が始まり、漂白作業や染め替え作業も困難となってしまいます。
しみぬき池田補正所店主一級染色補正士 池田忠男 著書
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