| 古いしみ・変色したしみについて | |
| ★ | しみは殆どのシミが古くなるに従って黄色から茶色・コゲ茶色に変色してしまいます。これは着物のカビと同様でシミの成分や地糊が腐るためで、シミの部分の布地は相当に弱っていると考えなくてはなりません。 |
| ★ | しみが古くなりますと何のシミだか解らなくなってしまいますので下記の手順に従いながらの作業となり、大変高度な技術と根気が要求されます。職人の立場から申し上げますと、こうした作業は相当の神経を使い、且つ営業採算は困難な仕事となりますので、あまり関わりたく無いのが本音です。 |
| ★ | 油性処理→澱粉の除去→蛋白質の除去→灰汁の除去→色素の脱色→地直し (揮発洗い)(水洗い) (酵素付け) (酸化漂白)(還元漂白)(色付け) |
| ★ | 酵素付けや酸化漂白作業は蛋白質の固まったしみや、変色したしみに用いる作業で、しみを付けて1年未満のしみで1回〜3回位、1年以上5年未満のしみで3回〜5回位、5年以上10年未満のしみで5回〜10回位と古くなるに従って落ちにくくなりますので職人の根気が必要となります。 |
| 注 | 古いシミの除去には、過去の経験を元に細心の注意を払いながらの作業を行いますが、シミによっては(何百点に一つ位)布地が傷んでいる事が有ります。 |
| 布地の傷みは実際にそのシミの上で試験をしてみない限り、見た目での判断は困難です。布地が傷んでいると判断した場合、ただちに同系のしみぬきは中止しますが、その部分を気にされて爪等で擦られますと、布地が弱っている為中止した部分ですので簡単に穴が空いてしまいます。 | |
| それをやりかたが悪いと言われお客様の品には、最初から携わる事は出来ません。そうしたリスクが有る事も考慮の上でしたら、職人として精一杯頑張らせて頂きます。 | |
| 折角のお着物も1ヶ所のしみのため着る事が出来なければ只のお荷物です。 着るに着られず、捨てるに捨てられないでお困りの方は、リスクを考慮した上で、賭けて見ては如何でしょう。もし綺麗になればお値打ちも上がります。 |
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| 尚 | 古いシミの除去に際しましては、布地に優しい薬品を厳選し、様々な変色じみで実際に何回位の漂白作業に耐えられるかの実験を行った結果を元に作業をしております。 |
| シミは古くなればなるに従い布地の強度が弱くなる一方、漂白回数は多くなると言うギャップが有ります。古いシミにつきましては完全に除去する事を避け80%〜90%位で止めておりますので、新品同様にはならない品も有る事もご理解下さい。 | |


絞りはしみぬきが出来ないと思っているお客様へ 絞りのしみ抜きはある程度制限は有りますが、全くしみ抜きや汚れ洗いが出来ないと言う事は有りませんので、諦めずに是非ご相談下さい。
上記の写真の剥がれた色を補正(地直し)したものです。
この作業は非常に繊細で高度な技術が要求されます。しかもこれだけ広範囲で大きくなりますと大変な手間と根気が必要です。
これだけの作業をしますと営業採算は全く取れませんが、お客様の強い要望と喜んで頂けるのを楽しみに頑張ってしまう職人です。
この写真は上の写真のしみを除去したものです。
細かいしみ迄全てしみ抜きするとご覧のように沢山のしみが有ったのが分かります。
しみは濃いものだけを取除いても、次から次へと小さなしみが目立ち出し、結局は全てを取除かなくてはなりません。
小さなしみを1ヶ所でも残しますと仕上がりがサッパリせず、気に入った仕事となりません。
全てを取除くとご覧の通りとなります。
この品は20年以上前の総しぼりの振袖です。
呉服店に相談した結果、しぼりはしみ抜きは出来ませんと言われ諦めていたものです。
胴裏は茶色く変色し、布地も弱くなっている為
お取替えが必要で、全てを解いて反物状態にしたものです。
写真ではそれほどひどいしみには見えませんが
実際は、変色ももっと濃く、小さな変色も沢山付いています。

しみ抜きに手間のかかる理由